福田郁雄の「稼げる不動産コンサルタントになる方法」
第6回 要望通りに応えない
~「最適案」の提案こそ仕事~
サラリーマンの多くがそうであるが、上司の機嫌を損ねないように、耳の痛い話を隠します。上司のところまで届いたとしても、トップの前で情報が止まり、トップはやがて裸の王様と化し、経営判断を誤ることになります。
コンサルタントからすれば、依頼者は報酬を支払ってくれる権力者です。つい、依頼者の機嫌を取るような話をすることもあるでしょう。また、余分な心配をさせないようにとの配慮から、都合の悪い話を隠しておくこともあるでしょう。相手は素人だからといって細かい話をつべこべ説明するより、俺に任せなさいというスタイルのコンサルタントもいます。
指摘する勇気を
依頼者の要望に何でも応えることが、仕事ではありません。確かに依頼者の要望にさえ応えていれば報酬はもらい易いかもしれません。しかしながらコンサルタントは、勇気を持って依頼者の抱える問題点をズバリ指摘し、解決すべき課題を明確にして、A案、B案、C案と対策案を考え、それぞれのメリット・デメリット・リスクを説明しなくてはなりません。その説明も出来る限り数値に置き換え、シミュレーションしたうえで行ないます。
コンサルタントの仕事は依頼者のために判断材料を集めることです。例えば、依頼者から「持っている土地にアパートでも建ててみたいがどうだろう。」という相談があった場合、いきなり、効率的なアパートのプランを設計事務所に書いてもらい、建設業者に入札をかけるということをすれば仕事になるでしょう。ところが、本当にそこの土地はアパート建築に向いているかどうか考え、もっと良い方法はないか、最有効使用はなんだろうと考え、他の活用方法のシミュレーションをしてみるべきです。平屋の木造のコンビニエンスストアーのほうが投資金額は少なくてリターンが多いこともあるでしょう。地価が高いところであるのならば容積率いっぱいに建て、1・2階店舗、3階事務所、4階以上を住宅にしたほうが良いこともあります。
真の意図も探る
また、そもそも何故アパート建築を希望されるのか良く聞いてみる必要があります。依頼者の真の要望は違うところにある場合が多いからです。収入を増やしてそのお金で借金を返済したいというものかもしれません。それであるならば、あえて借金を増やすのではなく、一旦は土地を売却して、借金を返済することもアドバイスしなくてはなりません。
依頼者のニーズを神様の声として聞くのではなく、依頼者の意向を積極的に汲み取り、あらゆる可能性をシミュレーションして最適案を提供するのが正しいコンサルタント。依頼者の言うことを何でも聞くのは間違いです。もし依頼者の言うことが正しくないと思ったら、依頼を断るべきです。