福田郁雄の「稼げる不動産コンサルタントになる方法」
第18回 すぐにやる
~まずは着手することが重要~
千葉県松戸市役所に松本市長が肝いりで設置した「すぐやる課」というのがあります。市民から依頼があれば職員が飛んでいき、蜂の巣の駆除から道路の補修まで、頼まれた事はなんでも「すぐやる」のです。決してたらい回しにはしません。市民にとってたいへん評判の良い制度で大反響となりました。全国の自治体から視察がありましたが、そのままその制度を取り上げている自治体はほとんどありません。「すぐやる」というのは、それほど難しいことです。
ビジネスの中ではお客様への対応はスピーディーに行うのが当然とされています。とりわけ、クレームなどあった場合には、他の重要な仕事があってもキャンセルして馳せ参じるということが大切です。
コンサルタントの中には完璧な企画提案書を作ろうとして、依頼者の許容時間を気にしない人もいますが困ったものです。
依頼者は正確無比な完璧な情報を求めているとは限りません。むしろ、大まかで良いから、早く情報を取得して判断したいというケースのほうが多いのではないでしょうか。その場合、資料の出来は60点でも良いから、一週間もかけずに翌日にお渡ししたほうが喜ばれるのです。その資料の情報を基に次のステップを検討することはよくあることです。完璧な企画提案書を作ったとしても、そもそも的が外れていては意味がありません。
場合によっては宿題として持ち帰らずに、その場でおおまかな相続税を示してあげたり、その場で簡単に坪単価や坪賃料をはじいておおまかな収支を出してあげることのほうが、翌日に計算して持っていくより喜ばれるでしょう。依頼者が求めているのは学者のような正確な情報ではなく、物事を判断するに必要たる情報なのです。
確かに大きな課題やプロジェクトだと、準備するのに時間がかかりますが、そんな場合でも、とりあえず着手してしまうことが大切だと思います。
私がこの連載を始めるときにも、思いついてから構想を暖めて始めたのでは無く、思いついてすぐに編集長にメールを送って許可をもらいました。そのメールは企画書のようなものではなく、趣旨と当面のタイトルを書いたものだけで作成時間は30分もかかっていません。おそらく、だらだら企画書や内容を考えていたら後回しにして始まっていなかったでしょう。
不思議なことに着手してしまうと、考えが前向きになり新しいアイディアや筋道が見えてきたりするものです。複数の仕事を抱えているときは一つ一つ片付けるのではなく、まずはすべての仕事に着手してから一つ一つ片付けたほうが効率的です。