福田郁雄の「稼げる不動産コンサルタントになる方法」
第16回 一緒に悩まない
~解決できる課題に手を打つ~
~解決できる課題に手を打つ~
「積極的に依頼者の言葉に耳を傾け、思いを理解してください」と前回の連載で申し上げました。ところが、依頼者の悩みを熱心に聴くあまり一緒に悩んでしまうこともあるので注意が必要です。一緒に悩んでしまえば永遠に問題は解決しません。コンサルタントの仕事は依頼者と悩むことではなく、問題点を整理して解決策を提示することです。解決できない事を悩んでいても時間の無駄であり、精神の消耗となるだけです。
「解決」こそ仕事
ところが、この問題と依頼者の悩みの区別ができていない人が多いのではないでしょうか?
問題とは解決すべき課題と割り切ってください。依頼者の悩みのほとんどは漠然とした心の問題であって、解決すべき課題にはなっていません。
ある中小企業経営者かつ資産家の依頼者は1990年代のバブルの時に行なった相続対策で大きな負債を抱えていました。返済が厳しくなり、会社を整理し会社の土地建物を売却することになりました。敷地は広いのですが、土地開発を行なうために思った金額で売却できそうにありません。
近隣の土地相場が坪40万円くらいなので、土地の面積に坪40万円をかけてこのぐらいで売れるだろうと希望的観測の基に金融機関と話をしていました。実際には道路や公園で40%の有効面積が減り、そのうえに造成費がかかるうえ、購入するデイベロッパーの利潤や金利や販売促進費などの経費を加えれば、さらに売主の手取りは減ってきます。素地で計算しなおすと坪15万円にしかなりません。売主の希望的観測が坪40万円、現実の数値が坪15万円です。素直に坪15万円だと認識していただければ、何の悩みでもありません。単に幻を見ただけで済ませられます。ところが、ずーっと幻を見続ければ頭が痛い話というだけのことです。この依頼者の問題は価格の問題ではありません。取り付け道路を拡張しなければ開発許可は下りません。そのために近隣の方に協力していただくことです。課題はまず開発許可が下りる土地に仕上げるということなのです。もう一つの課題はいかにデイベロッパーに魅力をアピールできるかということです。現況が山になっていてイメージが湧きにくい土地であれば、予め南ひな壇、東西道路などの参考区画割り図を用意したうえで、デイベロッパーに検討していただくなどの工夫が有効となります。
悩まない資産家の方々もたくさん見てきました。譲る気持ちと感謝の心をお持ちの資産家は悩みません。いつも心が平和で幸せです。逆に資産があることによって資産に縛られ悩み苦しむ資産家はあまり幸福とは言えません。その呪縛を解きほぐすのがコンサルタントの役割なのかも知れません。