福田郁雄の「稼げる不動産コンサルタントになる方法」

第14回 価値と価格の違い
~「収益力」「換金力」「節税力」が価値~


世の中の大半の物やサービスは価値と価格がほぼイコールです。ワイン1本にも料金が千円、三千円、一万円、それ以上と色々ありますが、価格に比例して味も良くなる傾向があります。ところが不動産については価格と価値が連動していないのです。
3年前に都心の資産家から相談を受けました。親から都心の一等地のビルと億ションを相続したものの、手元にお金が残っていないというのです。ビルは老朽化し修繕費がかさみ、テナントの室料は下がる一方、反対に固定資産税は上がる一方なのです。自宅の高級マンションは総戸数が少なく共有部分もゆったりと豪華に造られていましたが、管理費・修繕積立金・駐車場代金が大変な重荷となっていました。自宅の固定資産税は高く、ローンが一切無いのに維持費が高いので手元にお金が残りませんでした。ビルの賃料収入がありましたが、親の介護費用・医療費を払うと収支がトントンという状態でした。ビルは2億円、自宅マンションは1億円で売却可能なので価格は3億円です。ところが維持費が重く収益を生んでいないので価値はゼロ?です。
世間からは都心の一等地にビルや自宅のマンションを持っていて、大変な資産家で裕福だと思われていましたが、内情はとても厳しい状態でした。原因は価格が3億円もするのに、収益を生まない金食い虫の資産、すなわち価値の少ない資産であったという事です。対策としては価格に見合う価値のものに組み換えることでした。思い切って老朽化したビルを売却し、だだっ広いマンションも売却してコンパクトな自宅マンションと経費のかからない新しいアパートに組み換えたところ、年間1千万円の余剰資金が生まれるようになりました。価格と価値がイコールとなったわけです。

不動産の価値とは
不動産の場合の価値とは「収益力がある、換金力がある、節税力がある」この3つを備えたものが価値の高い不動産と言えます。価値が少ないのに持っていることだけで満足しているということは、遠い昔地価が一方的に上がる時代には良かったのでしたが、人口減少時代ではそれも期待できません。価格に合う価値の不動産に組み換えていかなければ持ちこたえることができない時代となっているのです。
不動産業者の仕事は不動産の売り買いの情報を提供しながら仲介することにありますが、コンサルタントの仕事は依頼者に今何をすべきかを気づかせることです。すなわち価格と価値が合っていないことに気づかせ、納得させ、決断させ、利益を生じさせることです。
余談ですが、不動産以上に価値と価格の差があるのが人材なのかもしれません。