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プロから学ぶ「不動産投資術」⑰

 不動産投資のお手伝いをするためには、資産経営の知識や収益物件の適切な評価をする力が求められる。長年不動産業を営んでいても不動産投資の仲介が不得手である業者の理由はここにある。
 収益物件の評価は原則的には収益還元価格であるにもかかわらず、相変わらず、土地いくら、建物いくらで計算してこのぐらいだろうなんて評価している業者が多く驚かされる。不動産鑑定士しかりである。DCF法などという、還元利回りから理論的に美しく評価する手法があるが、一部の鑑定士を除いて、現実の取引での利用はされていない。
 物件価格の算定は、地域の収益物件の利回り、経済的残存耐用年数、将来に亘る賃料の情勢、建物価値、土地の更地評価、希少性、換金性などを総合的に決めなければならない。もちろん、購入する側もこれらの要素を吟味して決めなければならない。
 更に、利回りについては、いわゆる表面利回りという売上を基準とした考えではなく、運営費がいくらかかるかを正確に把握し、経費を差し引いた純利益を基準とした実質利回りで判断する。
 また、取得費用も含めて投下資本と考え利回りを判定しなくてはならない。ちなみに、最近当社が表面利回り20.3%で購入した物件の場合、投下資本に対する純利益の利回りは10.8%であった。
 このように、収益をベースに価格を算出するためには、計数管理や、将来の売却見込みまで含めて検討しなければならないので厄介である。当社にも数々の収益物件の相談が寄せられるが、その依頼者は以外にも不動産業者が多いことからも不動産投資と通常の不動産取引とは別物であることが理解できる。
 収益物件を取り扱うのであれば、少なくともFPと不動産コンサルタントの資格は取得したほうが良い。税引後の手取り資金までのアドバイスも必要となるので、資産税に強い税理士との連携ができなくてはならない。
 借家人と所有者との売買、地主と借地権者との売買などの場合は弁護士との連携が必要になる場合もある。特殊物件の鑑定は不動産鑑定士の協力も必要である。
 購入者は物件を見極める前に、不動産投資の専門家を見極める必要がある。