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プロから学ぶ「不動産投資術」⑭

 地方物件の査定依頼を頼まれることがよくあるが、正直大変難しい。極端に取引事例が少ないからである。例えば世田谷区で取引事例を探すとなると、数十件はすぐに見つかる。表面利回りの平均値を計算すると8%前後の数値がでてくるので、この利回りをベースに類似物件と比較して、利回りを設定すれば事足りる。
 投資物件は主に収益還元法で算出するので、この利回りを年間収入で割り戻せば良い。実際の売り出しの際には、指値対策として5~10%上乗せしておけばよい。どうしても急ぎで売りたい場合は、業者の買取価格を基準とし、査定価格の80%程度になることを依頼主に伝えておくことが必要だ。なお、査定にあたり依頼主は当然、土地価格+建物価格を主張する。しかしながら、収益還元価格をオーバーすることが多いので、購入する側の購入基準が収益性であることを認識してもらう必要がある。
 地方物件の中でも、札幌・福岡などの広域中心都市であれば、首都圏と同じく全国区としての価値があり、購入者は全国を対象とすることができる。
 ところが、それ以外の地方都市は注目されにくいので、価格を相当下げなければならない。価格が下がるということは、逆に利回りが上がり回収期間も短くなる。購入する側としては、地方都市の需要に対し絶対数の少なさから、将来の空室リスクを極端に考え勝ちである。そのような心配も重なり、さらに物件価格は下がってくる。ある程度まで、下がるとたとえリスクがあっても、短期に回収されるのであれば、それをリスクとは思わない購入者が現われてくる。現に15%の利回りで売り出すと、買い手が現われ売れ行きも良い。表面利回りが15%といえば、実質利回りで12%超になるので、8年で資金が回収できる。ローンの返済期間を10年、15年にしたとしても返済できる。
 都心のRCマンションを購入し、ローンを30年で組んだ場合、20年経ってもわずかしか元金が減っていない現実を考えると、地方の空室リスクよりそのリスクのほうが高いと考える投資家もでてくる。
 地方物件は実際に短期回収ができるかどうかがポイントである。