プロから学ぶ「不動産投資術」⑨
不動産業者の自社物件も元をたどると競売物件である場合が多い。業者が転売目的に所有しているのである。これら業者は一年を目途に短期で資金を調達しているケースが多い。従って、資金繰りの関係上売り急ぐという現象が起きるので、流通価格(いわゆる売れる価格)で一年以内に必ず市場で流通すると思ってよい。
通常収益不動産は他の分譲物件と違って在庫という観念が少ない。なぜなら、たとえ売れなくとも、その間に賃料収入が入ってくるため、無理して売る必要がないからである。「高く売れれば売っても良いよ」というオーナーからの依頼物件が多く、物件として出回っていたとしても、売価が強気に設定されているため動きが悪い。長期滞留物件のほとんどがこのような理由によるものである。
競売物件の特徴として、バブル時期の物件が多いということが特徴である。従って、築年数が短く仕様が良いものが目に付く。ただし、当時土地の取得に苦労したのか、やや利便性にかける物件が多いのも事実である。
競売物件であるといかにも不良物件であるイメージが高いが実はそうでもない。不良債権になった理由は他の事業や投資に失敗した場合が多く、物件そのものは不良物件ではない。
最近は競売物件の人気が高く、入居者付きの収益不動産は数十倍、都心の人気地区では百倍を越えたこともある。転売目的の入札では売価を設定し、そこから経費と利潤を除くので入札価格は自ずと定まってくる。利潤の設定で入札価格が変わるが、最近では10%程度の設定が多いようだ。
従って、エンドユーザーが直接入札した場合、10%+販売経費分が安く取得できる計算になる。これが、郊外や地方となると競争が少なくなるので、利潤の設定は高くなる。当然、郊外や地方であれば入居率や賃料の下落率、流動性などが低くなるなどのリスクを加味しなければならない。
事前に内見ができないことや、不良入居者に対する対応など、競売独自の不確定要素はあるものの、専門家に相談しながらであれば競売物件を直接入札しても良い。ただし、ローンが付きにくいので注意が必要だ。

