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プロから学ぶ「不動産投資術」⑤

第5回 流動性に着目して選ぶ
~値崩れしない物件を~


素人は利回りの高さや物件の顔の良さを基準に選ぶ傾向がある。一方プロは流動性に着眼する。流動性とはわかりやすく言えば将来の売りやすさである。もちろん、価格を下げればどのような物件でも売れるであろうから、値崩れをしない物件を選ぶということだ。
 都心では収益物件が減少し、6%程度の表面利回りでも売れている。ある不動産投資家調査によると大手町のAクラスのビルの売却時の最終還元利回りは、5年前が7.4%に対し現在では5.0%である。都心では地価が反転し上昇傾向にあるので、流動性も高くなっているが、逆に利回りは低下傾向にある。この最終還元利回りは地方都市に行くと高くなる。横浜で7.0%、仙台7.5%、広島7.8%、新潟8.5%といった具合である。売りにくいエリアほど当然、それだけリスクプレミアムを勘案して最終還元利回りを高く設定するのである。
 高い利回りに飛びついて失敗する話は多い。ある地方都市のビルでは表面利回りが20%を超える物件がある。不動産の営業マンは「5年で回収できるのでお得ですよ」と言葉巧みに薦めてくる。ところが、消費者金融系のテナントが入っているので他のテナントが嫌気をさし、入居率が低いままとなっている。オーナーはこのまま空室が続いても良くないので、敷居を低くするとすべての入居者が消費者金融系となり、たとえ入居率が改善したとしても、物件の買い手がいなくなる。買い手がいないのでやむを得ず価格を下げ、利回りが高くなるのである。
 住居系はそれほどリスクプレミアムが高くないので、流動性の高さで言えば住居系に絞って物件を探すほうが懸命だろう。総額も重要である。3億円以下であれば、個人の富裕層まで層が広がるので流動性が高い、1億円以下になるとサラリーマンや公務員まで加わるのでさらに流動性が高まってくる。
 土地の有効活用も流動性を考慮するなら、敷地を分割して複数に分けたほうが有利である。最近の銀行の判断は担保力を流動性の高さに置き換え評価している。かつてのように、路線価がいくら、固定資産評価がいくらだというようなものさしだけでは通じない。