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プロから学ぶ「不動産投資術」④

第4回 実質利回りの見分け方
~管理費などに注意~


千葉県の東京近接エリアの話である。築15年のオフィスビルが売りに出された。表面利回りが満室想定で30%ある。ところが、経費率が30%、入居率が50%なので実質利回りは6.1%である。入居率が改善されれば実質利回りが上がるのだが、このあたりのオフィスビルの入居率は70%前後で推移し、条件の悪いオフィスの入居率は改善されない。ワンルームの中古マンションが400万円で売りに出された。年収54万円、表面利回り13.5%とまあまあの収益性だ。ところが、賃貸管理費、建物管理費、固定資産税、修繕積立金を合計すると家賃収入の50%近くになっている。家賃が4.5万円と低いにもかかわらず、かかる経費は9万円取れるワンルームマンションと比較してほとんど変わらないからである。結局この物件の実質利回りは6.8%であった。また、一棟売りの中古マンションが1億円、年収1200万円、満室想定利回り12.0%となっていた。経費率が30%、入居率が90%なので、この場合実質利回りは7.0%になる。別の所に新築の一棟売りアパートが6,000万円、年収480万、表面利回り8.0%で売りに出ている。経費率は新築アパートなので17%に収まっている。したがって、実質利回りは6.7%である。満室想定の表面利回りが、それぞれ30%、13.5%、12.0%、8.0%であるにもかかわらず、実質利回りはすべて7%弱で大差がない。ということであれば、立地が良い物件か、新築の物件を購入する方が得である。実際に、一般のお客様が、検討の段階で経費の総額をつかむのは難しい。外資系が所有する物件ならいざ知らず、一般に不動産業者が流通させている物件では、せいぜい評価証明に記載されている固定資産税・都市計画税をつかむだけが精一杯。物件の正確な維持費を把握しているケースは少ない。それだけ仲介をする不動産業者の意識が低いことを示している。現状では表面利回りだけで商売が成り立っているからだろう。購入者は管理費や、修繕費の見込み、入居率の見込みを正確に判断し、物件を取得してほしい。立体駐車場のあるビル、ペンシルマンション、老朽マンションなどは、運営費・維持費が高く実質利回りが低くなるので注意が必要だ。