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お客様の声・事例紹介 (石川 順司 様)

■大橋 元治 様
■石川 順司 様
■深谷 格 様
■金山 雄吾 様
■岡田 宏和 様
■山本 善之 様


< 都心への資産の組み替え >

■まずは定期借地権を  

 石川さんは、代々、千葉県市川市で農業を続けてこられました。広さは1丁5反で、坪にすると4,500坪弱です。その農地が区画整理の対象となり、換地が終了したのは平成10年のことでした。
 「当時は会社勤めをしていましたが、朝から晩まで働いて年収は360万円位。そこに農地の宅地並み課税ということで、どうやって固定資産税を払ったらいいのか途方にくれていました。それから、相続の問題も考えておかなければなりませんでしたし」。
 こう語る石川さんの周囲には、土地活用をしてみたもののバブルが崩壊して失敗したという人も多かったのです。たとえば入居者に立ち退いてもらうために、それまでに支払ってもらった部屋代のすべてが消えてしまった、などという話も少なくありませんでした。
 「土地活用はしたいけれど、失敗はしたくない」。それが石川さんの当時の偽らざる心境のようでした。
そんな時に、ある銀行の支店長が、私を石川さんに紹介してくれたのです。
 石川さんの話を伺った私は、一次相続(お父さんからの相続)と二次相続(お母さんからの相続)に分けて対策し、一次相続対策を急ぐことを提案しました。
一次相続対策としては、「まず定期借地をしましょう」と話しました。具体的には1区画50坪を9区画、合計450坪です。これは地代が総額で年430万円でしたが、それだけではもちろん収益としては多くありません。
保証金の活用がポイントになるわけです。保証金は9区画合計で1億2,000万円。この保証金で戸建貸家を4棟建てることにしました。これは1棟2,000万円で合計8,000万円です。
なぜ戸建貸家にしたのか。その点について石川さんの口から語ってもらいましょう。
「アパートは、この辺りでは過当競争になるのが眼に見えていたんです。その点で戸建は希少価値があるでしょう。需給がアンバランスなんです。自分の家が持てなくても集合住宅はいやだという人は、たくさんいるはずですから。それに、オーナーの立場から言えば、いざとなれば一戸ずつ売るのも簡単ですからね」。
実際、石川さんの土地の周辺で戸建貸家は今でも他にありません。その意味で石川さんのマーケティング感覚は優れていた、ということができます。
 その直後の平成10年1月末にお父さんが亡くなられて、相続が発生しました。相続税は石川さんと妹さんの分を合計して1億8,000万円程度です。これは市街化区域内にあった宅地110坪を売却して得た約7,000万円と、定期借地権の保証金のうち戸建貸家の建築費に使った残りによって納付することにしました。
 納税までの10ヵ月間は短いものでしたが、事前の対策がしっかりしていたので慌てることはありませんでした。
 また、この相続をめぐっては定期借地の評価減がタイミングよく決まったことが幸いしました。というのは、以前は定期借地による土地評価額の減額は2割しかなく、相続対策としての効果はあまりなかったのですが、平成10年の1月1日から4割の約評価減に変更されたのです。この点も含めて、一次相続対策は、ギリギリのタイミングで間に合ったと言えます。


■ペット共生型のコンセプトマンション  

  そうして、二次相続対策が始まりました。
 総工費1億8,000万円で、お母さん名義の170坪の土地に3階建て鉄筋コンクリート造りの賃貸マンションを建築したのです。このマンションはペット共生型で、2LDK(67㎡)が11世帯と1店舗。1階の店舗は当初クリーニング店が入居していましたが、今はペット病院に変わりました。ペット共生型マンションにとり、理想的なテナントです。
この建築資金を捻出するために、約600坪を売却しました。
 そのままでは利益を生まない市街化調整区域の600坪の土地を売却して、利益を生む建物へと積極的に資産の組み替えを行っていったわけです。
 さて、このペット共生型マンションですが、ペット可ではなく、ペットと同居する入居者のみを対象としたペット専門のマンションです。石川さんは近隣と同じでは過当競争に巻き込まれると思い、何か一つの特徴を備えたコンセプトのあるマンションを希望されていました。
 万人向けに広く浅くという方法もあったのですが、これからは専門店で行くことが重要であると判断したのです。学生専用、支店長専用、高齢者専用、外人専用、水商売専用、ペット専用、など半年位かけて企画を練りました。
 その中から消去法によってペット専用マンションが浮上したのです。
コンセプトは「人とペットがともに心地よくあるように」でした。そのために、人も快適、ペットも快適なアイディアを住設備にふんだんに盛り込みました。
たとえば、エントランス横にあるウンチダスト、散歩の後始末がここでできるようになっています。なお石川さんは、近所の住民が利用できるように外部にも開放しています。その横にはフットシャワーを設け散歩の後にペットの足を洗えるようにしました。
玄関にはペットフェンスを設け、飛び出しによる事故防止に備えています。床材は滑らない塩ビシートを使用、防水加工してあるので水漏れにも安心です。壁は 110cmの高さで上下を貼り分け、退去時は下だけの交換で済ませることもできるようになっています。感電防止のため、コンセントは1mの位置に設置しています。ペットコーナーでは強制換気扇を設け、臭気対策もしています。浴槽での洗浄では毛が配管に詰まる恐れがあるので、ペットシャワーコーナーをバルコニーに設けています。
石川さんは「完成してからも嬉しかったのですが、企画を一緒に煮詰めている間が一番楽しかったなあ」と話しています。依頼者、企画者、設計者が納得するまで喧々諤々議論をしたからです。イメージが湧かないときは、現物を見に行ったり、住宅設備メーカーのショールームや建築資材の見本市や類似物件を一緒に見学しました。このように納得のうえ進めたことが、後悔しないためのポイントでした。
 「コンクリートの打ち放しは、ある意味で冒険でした。でも、未だに存在感がある重厚な表情を見せるこのマンションは、心の中でそっと自慢しています」と、控えめな石川さんもこのときばかりは心境を素直に語ってくれました。
もっとも石川さんご自身が大のペット好きで、ビーグル犬を飼っています。
「先日、愛犬が病気になって、テナントの動物病院に連れて行きました。治療費が最初の購入費を遥かに越えたけど、子供の命には代えられない気持ちですね」。
 この時点で二次相続の心配は半減していました。しかし試算してみると、まだ少し納税が必要です。


■都心へ「資産の組み替え」  

  そこで次に取り組んだのが、都心でのマンション購入です。 
 お母さんの名義で中央区八丁堀に11階建てのマンションを1棟購入したのです。1室20㎡のワンルームが26戸と35㎡の1LDKが2戸。土地が30坪ついた新築物件です。
 今、都心ではワンルームマンションの規制が強まっていて、今後、中央区ではまとまったワンルームマンションが新築できないため、将来的にも需要が見込まれます。しかも地下鉄駅から2分の立地、東京駅からも歩いていくことができます。バブル期には何十億円もしたような物件が手の届く価格で購入でき、しかも都心から地価は下げ止まり、再上昇も始まっています。このタイミングを逃さず、さらに積極的な資産の組み替えを行ったわけです。
 購入費用は諸費用を含め総額4億8,000万円。その内、3億3,000万円は30年ローンを組みました。そして不足分を補うために、定期借地の底地権を3区画分6,000万円で売却しました。その他に、計画道路で収用される調整区域の土地を、約1億円で買い取ってもらいました。
 このマンションからの家賃収入は毎月240万円、返済は120万円です。
 石川さんの資産状況からみれば、確かに3億円以上の借金はリスクも伴います。これをヘッジする必要があるわけですが、都心の物件は最悪の場合、不動産ファンドなどへ売却もしやすいというメリットがある点が、ポイントになりました。
 「ワンルームマンションをバラバラに購入する人もいますが、一棟売りのほうが断然いいですね」と石川さん。資産を所有する醍醐味を味わっています。
 これで、相続対策も完結です。資産税に詳しい専門の税理士と顧問契約を結んでいるので、購入前に相続税・所得税・事業税などを詳細にシミュレーションしてもらいました。その結果、相続税はしばらくの間は掛からないことが判明、収益によって現金資産が増え、借入が減るので将来的には課税される時期が来ることも分かりました。ところが、今の収益力を持ってすれば何も心配することはありません。
これも、典型的な資産の組み替えであることは、ご理解いただけるでしょう。


■前向きな資産リストラ  

  こうして7〜8年計画で石川さんの資産のリストラが完了しました。リストラとは再構築という意味です。稼がない資産を稼ぐ資産に組み替えることです。
 石川さんとお母さん様を合わせた収入は年約5,000万円。その内の半分、約2500万円が借入金の返済に充てられています。この返済金が半分というのは、石川さんの資産状況から見ると、ちょうどよい程度だと言えるでしょう。これ以上、返済金の比率が高くなると、レバレッジ(梃子)が利きすぎていることになります。つまりリスクがそれだけ高い運用ということです。しかし、この範囲であれば、万一の予測できない事態があっても、返済は十分に可能ですし、イザとなれば資産の売却などでクリアすることができるからです。
 それにしても、私も石川さんのご相談に乗り始めた段階では、ここまで積極的な資産の組み替えまでは考えていませんでした。というのは、8年前では東京のど真ん中にマンションを1棟買えるということは、とても想像ができなかったからです。
次の課題は、所得税対策です。所得がお母さんに蓄積されていくと、それに相続税がかかってしまう恐れがあります。そこで所得分散を図るための法人化を、現在進めているわけです。それが終われば、石川さんの資産リストラは100%完了することになります。


■指南役との共同作業  

  自分の仕事の採点をされるようでかなりヒヤヒヤものでしたが、石川さんに今の感想を伺いました。
 「知識がないと、本当にバカを見るというのが正直な感想ですね。区画整理が進行中は、いろんな業者が来て、建物を建てて借金をつくって評価減しましょうということ一辺倒でしたから。それから比べると、資産のリストラを行っていくという手法は、知識がなければとても思いつきません。でも、その結果として今の生活があるわけで、ちょっと信じられない気分です」。
 どうやら及第点を頂いたようです。
 一般に、企業のリストラは人員整理と資産のリストラとM&Aの3つが組み合わされます。これは切り捨てが中心ですが、個人の資産リストラは資産の組み替えが中心です。つまり、切り捨てると同時にその分を再投資するわけです。だから、その知識が必要になるということなのです。
 「自分で直接知識がないとすると、指南役を選ぶ必要があります。その判断力だけは、やはり求められましたね」と石川さん。ちょっと過分の評価かもしれません。
 ところで、石川さんの生活はどのように変わったのでしょうか。
 「ゴルフが趣味だったんですが、仕事をしていたときは時間もお金もなくて。何しろ朝から晩まで働いて月給は25万円位でしたから。それでも、ゴルフに行きたくて行きたくて。ところが、今は時間もお金もできてきました。そうなると、行きたいという気持ちも薄らいでしまうんですよ。ゴルフを始めてから、今が一番行っていないのではないかな。だから、今はやりたいことを探している時期です。平凡を続ける非凡さのような、境地に達してきたのかな」と笑って話してくれました。