第19回 不動産コンサル(最終回)
私の仕事は不動産コンサルタントで、店舗は無く事務所のみで活動している。
主な依頼者は資産家、投資家、不動産業者、中小企業経営者である。依頼内容は総じて言えば「資産である不動産を今後どのように活かしていくべきか」という相談である。例えば、「持っている不動産の収益性が悪いので何とかしたい」「さらに資産を拡大したいので、今後どのような収益不動産に投資すれば良いのか」「競争が激しくなってきたので、今の事業を他の事業に転換したい」「相続が発生しそうだが、節税と納税と収益の確保をしたい」「バブル時に行った土地活用や投資の失敗をなんとかしたい」「銀行から返済を迫られているが、どうしたらよいものか」「とにかく高く売るための良い方法をアドバイスいただきたい」「隣地を購入して、規模のメリットを活かした土地活用がしたい」「借地人から借地権をうまく買取りたい」「高齢なので事業はやめ、その土地を貸して収益を得たい」「不動産投資ファンドと共同事業がしたい」など様々だ。
その依頼が余りにも多岐に渡り、かつ輻輳した問題が絡み合ったままでの依頼なので、問題点を整理し、課題を設定し、目標を明確にするまでのプロセスに苦労する。
だからこの仕事は人間関係の構築力、ヒヤリング力、分析力、問題解決力、企画力が必要とされる。経験と勘と度胸とはったりの世界とは違う科学的、論理的な仕事である。
単なる助言では済まされず、結果を出さなくてはならないので、実施段階での進捗監理が最も重要な仕事だ。実施にあたり、各種専門家・実務家の力をお借りするわけであるが、利害が相反する弁護士・税理士・金融機関・設計士・建築会社・土地家屋調査士・不動産鑑定士・不動産業者等をまとめ、目標の実現に向け一致団結させなければならない。
「依頼者のためにお役立ちする」という意識を共有化し、プロジェクトのコンセプトを明確にし、テーマに落とし込むことによって、お互い知恵を出しながらそれぞれの役割を超えた動きにしていく。素晴しい仕事だと思われた方は、ぜひ不動産コンサルタントを目指してほしい。
終わり

