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第18回 大家さん

日本の賃貸住宅の特殊性は個人のオーナーが圧倒的に多いことである。俗に「大家さん」などと呼ばれ、お客様である入居者は「店子」と呼ばれ、貸主は借主より地位が上のようなニアンスがある。

日本の賃貸住宅が世界と比較して貧弱なのは、オーナーが零細な個人や法人が主流であるからでもある。

戦後から高度成長期にかけ住宅が不足していたときには、賃貸住宅を供給することは社会的価値が高く同時に利回りも高かった。

ところが、人口減少時代を迎えた今日にかけても、賃貸住宅が供給され続けているので当然にして空室も増えてくるし、賃料も弱含みになっていく。

とりわけ、地主と言われる人達は有効活用ということで、その場所に賃貸住宅のニーズが有る無し関係なしに建築をする。建物そのもので差別化せざるを得ないので、部屋を広くし、設備を豪華にするなどして採算性を無視して建て、かつ家賃も低くするのでさらに相場を下げている。

本来最も重要とされる立地をないがしろにしてきても、今まではなんとか結果オーライであった。しかしながら需給関係が悪化を続ける今後は、気楽な安定的な事業とは言えず、他の商売と同じように激しい競争の中で事業家の意識を持って運営せざるをえない。大家さんも経営者であるのならば顧客ニーズを捉え、競合を排除する方策を考え実行しなくてはならない。

安易な建築や購入をしていると隆盛を続けるプロ中のプロである不動産投資ファンドとの競争に敗れるであろう。不動産投資ファンドの資金力、規模、情報量、ノウハウはとてつもなく強力であり大きな格差がある。

「地価が底値だから」「退職後の安定的な私設年金として」「不動産投資ブームだから」という理由で一般庶民が「大家さん」になることを希望し、今年あたりは個人の不動産投資ブームのピークを向かえるかも知れないが、決して安易な計画で「大家さん」になろうなどと思ってはならない。

私は不動産投資そのものを否定しないが、どうしても「大家さん」がやりたいのであれば、徹底的に勉強してもらうか、その道の専門家のアドバイスを受けてから実行していただきたい。