第15回 職人ですか
先週知人の主催する相続支援ネットの忘年会に参加したときのことである。丸テーブルでたまたま隣り合わせた方と名刺交換をし、とりとめのない会話をしていた。その方は東京大学を卒業し、海外留学の経験のある才女であった。とても明るく、東大卒業であると自ら名乗ることなどしない感じの良い方であった。個人事業主の富裕層向けに対するクレジットカードを企画し新規チャンネル開発を行っているとのことであった。
色々お伺いすると面白い企画だと思ったので、私自身も加入することを決め、自ら個人の資産家や投資家にお勧めする価値があると判断した。
後日、クレジットカードの申込を行ったときのメールでこんな文言が入っていてドキッとした。「福田さんは職人的な業界イメージを払拭すべく、いろいろなアイディアをお持ちでいらっしゃるので、お話していてとても楽しかったです。」
褒められているようで一瞬ニヤッとしたが、その後良く考えてみると、世間では「不動産業界=職人の集団」というイメージで見られていることにハタと気がついた。
ひょっとすると職人のイメージはまだましで、「怖い」「分からない」「騙される」「ズル賢い」などの言葉で形容されるように、もっと悪いイメージを持たれているかもしれない。
データや論理的な思考によって判断され話がまとまるのではなく、個人的な人間関係や「急がないとなくなりますよ」に代表される煽りや世間一般の相場で物事を判断する業界の不透明な体質を指摘しているのだ。
最近では不動産投資ファンドの隆盛によって、やっと金融の世界の常識が不動産業界にも浸透しはじめている。投資家保護のために、物件の情報開示、法令遵守、リスクの開示が急ピッチに進み、一般の不動産取引の中でもその精神が反映されつつある。
金融庁の監督を間接的に受けることとなったおかげで、業界のイメージは確実に向上にしていく。本来不動産業は、法務、税務、建築、開発、金融、相続等幅広い分野に精通しなければ出来ない仕事である。やがて米国のように、弁護士より社会的評価の高い職業となるだろう

