ふくちゃん・りなの不動産投資学校

第7回 リート(不動産投資信託証券)

福田財産コンサルへのご相談

大田区在住 62歳のAさん
私は2年前に長年勤めた会社を定年退職し、新たに子会社で再就職をさせていただいております。
ちょっとばかりの退職金はまだ手付かずのまま銀行に預けているのですが、雀の涙ほどの利息をみてがっくりしています。もう少し利回りの高い運用をしたいのですが、いきなり不動産投資には少々抵抗があります。
先日、証券会社からリートであれば50万円くらいから、不動産投資ができると聞きました。
運用はプロの人がやってくれそうだし、今のところ悪いうわさを聞いたこともないので、試しに買ってみようかなあと思っています。
先生リートってそもそも何でしょうか?また、本当に不動産投資なのでしょうか?



ふく
リートは不動産投資信託証券なんですね。現物の不動産に投資するのとは違い、証券会社で証券を買って運用するということなので、完全な金融商品の分類になります。

りな
普通の証券との違いは

ふく
主に不動産への投資の成果を投資家に還元することを目指した商品であることが違います。
投資への成果とは運用益(家賃収入と運営費の差額)と売却益の二つがあるんですね。

りな
一般的にはどのくらいの分配金がもらえるのですか?

ふく
分配利回りとして年平均3~4%のリートが多いですね。
りな
それは確実にそれだけの利回りが得られるのですか?

ふく
断定的には言えませんが、今のところ予定通りに分配しているようですね。
ただし、今後、賃料が下がったり、金利が上がったり、不動産の価格が下がった場合は分配金が下がることもありますね。
このことは、現物の不動産を所有している場合のリスクと同じ要因ですね。

りな
銀行より利息は高いけど、やはりリスクは不動産と同じようにあるんですね。

ふく
ただし、現物と違ってリスクを色んなところで軽減しているんですよ。
とりわけ、出資金の規模が大きく何千億の資産を運用できるので数々のスケールメリットが生まれます。

りな
例えばどんなスケールメリットですか?

ふく
まず、よく言われるのが分散投資です。賃貸マンション一棟ですとその物件になにかあったときにイメージが大きいですけど、数10棟に分散して持てば、たとえ1棟になにか事故があっても他の物件が稼ぎつづけてくれます。
二つ目に資金が潤沢なので、大型物件に投資できます。大型物件は建築費も安くできますし、テナントの賃料も高くとれるなど投資効率が高いのが特徴です。
三つ目に運営コストが下げられるということがあります。管理費等も発注金額が大きいのでかなり下げられます。

りな
確かに個人が投資する場合だとペンシルビルやアパートが精一杯ですが、リートだと都心のど真ん中に大規模ビルや大型高級マンションにも投資できるんですね。

ふく
そのとおりです。日本の街並みは猥雑間があってそれなりにエキサイティングですが、やはり綺麗じゃないですよね。大規模な開発が促進すれば、ミニ分譲やペンシルビルとは違って美しく快適な街づくりができますよね。
この日本ラジオのスタジオのあるビルからも六本木ヒルズや六本木のミッドタウンなども眺められますが、大規模開発によって六本木も夜の街から昼の街へ、そして世界の金融都市へと変貌していますよね。

りな
そうですね。

ふく
今都心の地主がかわりつつあります。今まで、企業や個人が持っていたのですが、新たな所有者の多くがリートや不動産投資ファンドに変わってきています。そのうち、都心3区の地主はすべてリートやファンドに生まれ変わるのではないかと心配しています。

りな
リートを運用している会社とはどんなところがあるのですか?

ふく
主に三井・三菱などの大手不動産業者、信託銀行、商社、もちろん外資もかわりどころでは日本たばこ産業さんなども手がけています。

りな
結構、母体がしっかりしているんですね。やはり、有名どころが母体だと安心しますね。

ふく
最近では、ベンチャー企業がリートの上場に成功しています。知名度が低い場合、株価が上がりにくいのですが、その分利回りが高く分配金が多いのが魅力です。

りな
結局、難しい不動産投資はプロに任せて、出資をする形になるわけですね。

ふく
はい、その通りです。
一口50万円程度なので、サラリーマンでも気軽に投資できます。
新投資口発行届出目論見書というのが、証券会社でもらえます。そこにはあらゆる想定される不動産投資のリスクが開示されていますし、運用している不動産の細かい収支などもでているので大変勉強になりますよ。
現物の不動産を買う前に、プロの視点を知るうえでも、リートから始めるのは無難だといえますね。

りな
投資している不動産にはどんなものがあるのですか?

ふく
一番多いのはビルです。当初は大手不動産業者がビル中心のリートで上場しています。最近では、新興勢力がマンションを中心として上場するケースが目立ってきました。リートの上場時に公募割れのケースもでてきているので、注意が必要です。
とりわけ、プライベートファンドの出口目的としての銘柄は厳しい評価である傾向が強いようです。

りな
リートのあいだでも差がついてきているんですね。

ふく
そうです。なので、最近では、差別化のために都心のオフィースやマンションだけではなく、倉庫やホテル、ブライダル施設などを取得して運用するリートもでてきているんですね。

りな
今どのくらいのリートが上場しているんですか?

ふく
今のところ41銘柄あります。

りな
どの銘柄を選んだらいいのでしょうか?

ふく
私も分かりません。言えることは、投資方針をよく見て、共感するところに投資してください。たとえば、地震のリスクが高いと思う人は、都心に物件が集中しているのは危ないと思えば、全国に分散して物件を所有するリートに投資するなどです。

りな
それぞれのリートを研究するのも面白そうですね。

ふく
そうなんですね。株式のように上場会社の数が多いわけではありません。全部のリートを見比べることも今の数ならできます。
今の時代、ホームページで各リートの情報が日々の値動きと伴に紹介されていますから、興味のある方は見ることもできますよ。

りな
私の稼ぎでもできそうなので、一口ぐらい投資してみようかな。


まとめ

1. リートは現物不動産への投資ではありません。運用はプロに任せ、分配金を得るものです。分配利回りは数%なので現物不動産より低いかも知れませんが、上場していつでも取引ができるので安心感があります。
2. リスクは現物不動産と全く同じ要因のものがあります。金利の上昇、賃料の下落、建物の老朽化、地震などのリスクがあることには変わりません。そのリスクを理解して投資をするのであれば、預貯金よりかなり高い分配利回りが期待できます。
3. リートの目論見書は不動産投資の教科書です。投資の方針、不動産の収支や評価、リスクなどすべて開示されています。情報が豊富なので読み込めば、自分自身で判断が可能となっています。プロの視点を知るうえで不動産投資を行う人は手に入れてください。