ふくちゃん・りなの不動産投資学校

第3回 ローンを活用した不動産投資

福田財産コンサルへのご相談

私は東京23区内に住む、30代の外資系の弁護士秘書です。主人は監査法人に勤務し2人の収入を合算するとそこそこのお給料になるので、思い切って不動産投資を考えています。
現在所有している資産は、6年前に買った3LDKのマンションと3年前に買った一戸建て住宅です。3LDKのマンションは人に貸して賃料を得ています。ローンは一戸建て住宅を購入したときのローンがほとんど残っています。
できれば1~2億円の一棟売り賃貸マンションがいいなと思っています。
ただし、自己資金が十分にあるわけではないし、あったとしても手元には残しておきたいと考えています。
書店で買った不動産投資の本の中に「自己資金無しでも収益不動産は購入できる」なんていうくだりがあったのですが、本当にそんなことできるんでしょうか?
福田先生アドバイスをお願いします。

りな
随分積極的な方なんですね。

ふく
この方は以前私が連載していた、住宅新報社の「福田郁雄の不動産投資術」という記事を欠かさず読んでくれていたそうなんですよ。

りな
ある程度基礎知識があったうえでの相談なんですね。

ふく
そうですね。もし自己資金無しで不動産投資が可能であれば、誰にでもチャンスがあるということになるので、多くの方々が感心を持たれるテーマなんですよ。

りな
えっ。福田先生、私にもできる可能性があるんですか?

ふく
もちろんですとも。だけども一定の条件を満たす必要があるんですね。

りな
先生、その秘伝の条件を私だけにこそっと教えてください。

ふく
授業料高いですよ。
冗談はここまでにして、回答をしてまいりましょう。

りな
お願いします。

ふく
結論から申し上げます。
諸費用込みの全額ローンで収益不動産を購入することはできます。
ただし、幾つかの条件があるんですが、大きく分けると2つです。
一つはその人の属性、つまりどの位の収入があり、どの位の資産があるかということです。もう一つは、購入する物件の評価です。

りな
つまり、購入者の能力と購入する物件の能力が揃うということですか?

ふく
さすが ファイナンシャルアナウンサーのりなさん 理解が早いですね。

りな
お褒めいただいて光栄です。

ふく
まず、この方の能力ですが、収入については2人合わせれば全く問題ないですね。
資産については、マンションと一戸建てと二つの資産を持っていますね。この点は有利ですね。ただし、マイナスの資産つまりローンの残高も見なくてはなりません。

所有する資産の評価とローンの差額が含み益となるんですね。この含み益が多いと銀行から見て担保価値が高いということになるんですね。購入する物件の他に別件担保を提供すると全額ローンで購入できる可能性が高くなります。

りな
やっぱり、資産持っていないとダメなんですか?

ふく
いいえ、一概にそうとは言えません。別件担保を提供することなく、購入する物件だけの担保だけで全額融資が受けられることもあるんですよ。

りな
本当ですか?

ふく
購入する物件が良ければ可能なんですよ。

りな
具体的には

ふく
担保力と収益力の二つを見ます。
まず、担保力ですが、土地に重きを置く日本の現状では、残念ながら田舎というか郊外の広い土地の物件か、もしくは、都心の築年数が40~50年くらいたっていて、せいぜい土地だけの評価の物件のほうが有利となります。

りな
なるほど

ふく
つぎに、収益力ですが、まず利回りが高いことが必要になります。たとえば表面利回りで10%あるならば、収益力の高い物件と見なされ、全額融資も可能となります。
ただし、利回りが高くとも、建物の築年数が古いと残存年数が短いとされ、返済年数が短くなるので、返済が厳しくなり、したがって融資額も減らされてしまうんですね。

りな
なかなか難しいんですねえ

ふく
そうです 極めて限られた条件が揃わなければ無理ですが、実際に購入に成功している人がいるのであきらめてはいけません。
土地が広く、利回りが高く、築年数が浅いとなるとやはり郊外の収益不動産になります。この場合、市場が小さいため入居率の心配があるので要注意ですね。

りな
ありそうでなさそうで なさそうでありそうなんですね。

ふく
ちなみにこの方の場合、幸いマンションや一戸建てを購入した時期が良く、今売ると買った値段以上になると思います。
もし100%のローンが出なくとも、マンションを売却して頭金を作ることも検討してはいかがでしょうか?

りな
確かこのマンション、賃貸にしていましたよねえ。先生、入居者がいても売れるのですか?

ふく
家賃が入ってきているので、それこそ収益不動産として売却が可能です。年間の家賃収入を期待利回りで割り戻すと価格が算定できます。

りな
以前学んだ収益還元法ですね。

ふく
はい 最近では不動産投資ファンドがこのような入居者付のマンションの一室を購入していくこともあります。
もちろん 入居者が出て行くのを待って、通常の中古マンションとして売却することもできます。もしくは、立ち退き料をお支払して明渡してもらうこともできますが、お金がかかりますよね。

りな
でもやっぱり、全額ローンというのは不安がありますけど。

ふく
金融機関の評価の仕方はざっとこんな感じです。入居率を厳しく見て80%と見なします。金利は4%の高めの計算をします。収支は経費を除いた実質で考えます。返済年数は法定耐用年数から築年数を引いた年数がmaxです。これで、計算して赤字にならなければ全額ローンでも貸してくれることもあるんですよ。

りな
そうなんですか でもよく自己資金が20~30%必要だと聞きますが?

ふく
極端に言うと、最初から自己資金分の20~30%安い価格で購入できたとすれば、結果的に自己資金が必要でなかったことになります。

りな
どうしたら、そのような物件が手に入るのですか?

ふく
それは、今後この番組の中でおいおい紹介していきます。

りな
100%ローンというのも可能なんですね。でも、なんだか色々な条件が重ならなければ難しそうですね。
借りられたとしても、想定どおりの家賃が得られるかも心配なんですけど。
私のようなフリーのファイナンシャルアナウンサーじゃ、銀行さんは相手にしてくれないじゃないかな。


まとめ

①ある程度の年収と、資産があれば、物件にもよりますが、金融機関は全額融資する
 こともあります。
 事業計画を厳しめに見て黒字が確保できるのであれば構わないでしょう。
 実際、購入した不動産の値上がり分を担保にして、さらに融資を受け、資産を拡大されておられる顧問先はたくさんいます。

②資金がショートした場合は、手持ちの資産を売却することも検討してみましょう。仮に今所有している不動産の利回りが5%で、今度新たに購入する不動産の利回りが8%とするならば、優良資産に組み替えたことになるのです。売却というと資産を減らすというイメージがありますが、資産を組み替えていって優良資産を増やしていくという考え方が必要ですね。

③最後に私は全額ローンを勧めているのではありません。できれば30%ぐらいの自己資金があったほうが良いと考えています。プロの不動産投資ファンドでも借入比率は60~80%で自己資金を20~40%だしているのですから。