ふくちゃん・りなの不動産投資学校

第24回 米国の不動産投資事情

◆株式会社ミヤマグロビス 代表取締役 深山 武晴

里奈 (ゲスト紹介)
本日のゲストは株式会社ミヤマグロビス 代表取締役 深山武晴さんです。
深山武晴さんは地主・建築プロデューサー・米国不動産投資家・プロパンガス会社経営と四つの顔を持っていらっしゃいます。
1988年ミヤマU.S.Aテキサス社を設立、代表取締役就任。アメリカにおいて数々の投資を行い、アメリカにおける建築の手法を学びました。
日本においても100余りの建築プロデュースを行っています。現在はアメリカ人の設計士とコラボレーションを行い数々の建築を行いつつ、世界を視野に入れ不動産投資を行っています。

福田
本日は最後のゲストとして一番相応しい方をお招きいたしました。日本の一市民が不動産投資によってアメリカンドリームを実現させた事例をご紹介させていただきます。深山先生はご自身の不動産投資だけではなく、余力で地主さんに対するデザイナーズマンションの建築コンサルティングを行いっています。また、若き芸術家の育成やカンボジアに学校を建てていくなどのボランティア活動も行っている人格者です。
本日は「 米国の不動産投資事情 」というテーマでお話を伺います。
それでは早速ファイナンシャルキャスターの里奈さんが質問し、深山先生にお答えしていただき、私が解説を加えながらすすめてまいりましょう。

里奈
1. 深山社長は個人投資家として、国内のみならず米国にも投資を行い、大きな成果を上げられたとのことですが、そもそもどうして米国での不動産投資を始めたのでしょうか?

深山
1.地方の地主の長男に生まれ、多少土地がありましたので、30才頃から、国内でマンション・アパートを建てていました。大学を卒業する年に、広く世界を見てまわりたいということで、自転車と寝袋をもって、カリフォニアからNYに向かって、米国を自転車で横断し、その後ヨーロッパも自転車で回って来ました。帰国後、いつか家業を継ぎながら米国で事業を立ち上げたいと思っていました。

福田
深山先生も小田実の「何でも見てやろう」の世代で若き日に欧米に自転車で無銭旅行を行った方なんですね。そのころの見聞や今でも趣味の海外旅行が今現在大いに役立っているということだと思います。「発想を豊にする」。「行動力をつける」。「人のやさしさに触れ感謝の気持ちを養う」。など旅は人を大きくしてくれるもんだなあと深山先生を見ててつくづく感じます。
手前味噌ですが、私も大学3年になるとき1年休学して、アラスカから東海岸、パナマ、西海岸と北中米大陸を自転車で一周した経験があります。時期も深山先生とほぼ同じ時期でとても親近感を感じます。

里奈
2. 米国での不動産投資は何時頃からでしょうか?また、どのような物件にいくらぐらい投資し、どのくらいのリターンを得ることができたのでしょうか?

深山
2.1990年、日本国内がバブルで土地・建物が値上がりし、利回りが金利を下回る時代でした。このタイミングに日本国内の土地を担保に資金を調達して、一般的に西海岸、東海岸に投資する企業、投資家が多い中で、全米の中心に位置するテキサス州ダラスに24階建の高層コンドミニアムを一株投資しました。
 オフィス高層ビルでなく、住居にターゲットをしぼりリスクを分散でき、いざと言う場合、部屋ごとに売却できるということで、当時1500万ドル位の投資でした。賃貸として運用しながら、現地の金融から現地の不動産を担保にノンリコースで、資金を調達し、日本の金融に借り入れを返済した段階で、リスクが無くなりました。
 その後、  3600万ドルで売却しましたので、不動産の賃貸の運用益と売却によるキャピタルゲインが出ました。その後、ガーデンスタイルアパート、大学のキャンパスに新築のドミトリーの運営や、オフィスビル、大型の倉庫等、投資を分散しながら拡大していきました。

福田
円キャリートレードなどと言って、日本の低い金利を利用して海外の債権に投資するということが当たり前になっていますが、深山先生は17年前からすでに行っていたところが驚きです。
最初は1500万ドルということですが、累計では数十倍に膨らんでいることを付け加えさせていただきます。
最初は馴染みのある賃貸住宅を、やがて規模やリスク・リターンの高いビル、倉庫などに幅を広げていかれていることは、日本の投資家にも参考になる話ですね。

里奈
3. 日本と米国の不動産投資について、同じ点と違う点について、深山先生が重要だと思うことについていくつかご紹介ください。

深山
3.米国の投資のスタイルは、短期間で投資を考えて、キャビタルゲインで利益を考えます。
日本の一般投資家は不動産を長期で借り入れして、賃貸収入を中心にしたインカムゲインを考えた長期運営する方が多いと思います。
 私共の基本的考えは、「持って良し、売って良し」。常に長期で所有できるポジションで投資し、常に最良なタイミングで売れるよう、長期にも短期にも対応できるようにしておけば、市場の好不況に対応できます。

福田
深山先生のような業者ではなく、個人の投資家の場合、銀行との折衝の中で長期の借入ができるのが強みになります。業者や法人の場合、銀行は主に短期の転売資金かもしくは長期といっても10~20年程度の短い融資です。個人もしくは個人事業主としての位置づけで資金調達が出来るからこそ、「持って良し、売って良し」がやりやすいということも付け加えておきます。持って良しは利回りが良いということ。売って良しは立地が良いこと。と言い替えても良いでしょう。

里奈
4. 深山先生は投資のタイミングを重要視されていますが、日米に不動産投資のタイムラグを察知し、それを投資に活かされているということでしょうか?

深山
4.私共は日本国内と米国に不動産を所有運営していますが、日本国内のみ不動産を所有していますと、不動産の値下がりと値上がりの波が10年単位で動いていきます。
 同じように米国でも、不況、好況等の波がありますので、両方に投資(バランス良く)することで、常に不況の時に安く仕入れて、長期で運用してインカムゲインを充分得て、借り入れを減らし、不動産が上昇した時に売却することが出来ます。
 又、日米の為替のタイミングや金利の差も生かすことが出来ます。

福田
短期的視点の欧米人の感性と長期的視点の日本人の感性の両方を持ち合わせ、いいとこ取りをされていますねえ。

里奈
5. 米国の不動産投資で学んだことを、聴取者の方にその一部でも結構ですので教えていただくことはできますでしょうか?

深山
5.日本は物を製造することにかけては、世界の先進国ですが、建物のデザインやインテリア等は後進国です。常に米国の10数年の差があります。又、投資の方法、ファイナンス等の仕方や仕組みも随分遅れています。
 私共タイムマシン経営とよんでいるのですが、米国に投資するだけでなく、米国で学んだこと、米国で起きていることで日本ではまた起きていないこと等、多くの事柄を日本で生かせます。

福田
しばらく不動産業界も鎖国をしていましたが、不動産証券化の手法が米国より導入され、いよいよ開国されつつあります。
今日のところは深山先生も出し惜しみみたいなので、来週具体的なノウハウをお聞きできればと思います。
深山先生のような先駆者から学ぶ点は多くあるので来週も楽しみにしてください。


まとめ

1.米国は元々売って手元にいくら現金が残るかということに価値を見ています。日本人のように土地を持っていたい。土地さえ持っていれば資産家なんだ。という考えはありません。あくまでも価値は現金に換算して判断するという考え方が重要です。

2.日本では賃貸マンションやオフィスビルについては過去のテナントの実績が豊富にありますが、商業施設・倉庫・ホテル・レジャー施設などはそれらの記録(トラックレコード)が少なく投資に不便をきたしています。今後はこれらの記録が米国並みに充実してくるでしょう。

3.「売って良し、持って良し」という格言を紹介していただきました。売り急がない。たまたま良い条件があったら売るという余裕が大切ということです。「持っていても、儲かるんだから、安けりゃ売らないよ。」といえる収益不動産を持ちましょう。