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プロから学ぶ不動産活用9

相続対策のお手伝いをしているとどうしても葬儀に参列する機会が増えてくる。天命を全うされている場合は、以外に場の雰囲気が和んでいて湿っぽさが感じられない。近隣の地主さんが総出で手伝うしきたりになっているので、賑やかささえ感じられる。葬儀が終わると、ご馳走とお酒が振舞われることになるが、時間が経つにつれ場が盛り上がってくる。
 話題の中心はなんと行っても土地活用である。建物の特徴、家賃収入、節税効果などセミプロ級の話が飛び交う。AさんはBさんに対して「アパートの利益は半分消えるから建築業者の言うことを鵜呑みにしないことだ」とアドバイスしていた。当たらずとも遠からずである。家賃収入からローンの支払いを引いたものを利益と考えてはダメですよと教えているのだ。管理費、修繕費、保険料、固定資産税などの諸経費を差し引いて、さらにそこから所得税、市県民税、事業税を納めることを伝えたかったのである。
 こういう場ではどうも家賃収入の大小を競い合う傾向が強いように思う。売上市場主義の日本企業とよく似ている。家賃収入の総額は規模の比較であり、経営効率の比較ではない。投下資本(建設費)に対する年間の収入の割合を表面利回りと言う。売上に対する投資効率の良し悪しを判断するのに優れた指標である。一方実質利回りは、投下資本(建設費)に対する、諸経費を差し引いた実質利益に対しての利回りである。ローンの支払いも経費に含める方が実感的にはなじむが、投資効率を判断するにはローンの支払いを除いた方が正確である。
 所得税、市県民税まで含めると総合課税なので、そこだけ切り離すことができないので税引き前で考える。実質利回りは経費を除いて見ているため、経費の大小により利回りが大きく変動する。入居者管理費用や建物の維持管理費を節減する、空室率を減らす、安い保険を選ぶなどの経営努力も重要だ。建築後も腕しだいで実質利回りを向上させられる。