プロから学ぶ「不動産投資術」 50
いよいよ最終回。1年間お付き合いいただいた読者の皆様に感謝いたします。
不動産投資の実務の中で日々感じることを50回にわたりつづってきましたが、最後に今後の不動産投資動向を占うことで締めくくりたいと思います。
最近気になることがある。専門誌以外の新聞や雑誌にも「不動産ミニバブル」や、「ファンドバブル」という言葉が氾濫し始めたことである。その他には「カネ余りの土地ブーム再来」、「銀行、不動産融資復活」「高値更新REITブーム」など威勢の良い言葉が見出しに並んでいる。そして、記事の最後には「品不足による利回りの低下」、「金利上昇のリスク」、「曲がり角」というバブルが弾けることに対する警告となっている。
銀行の支店長から当社に「不動産投資物件を探しているので、優良物件があれば紹介してほしい」という依頼は相変わらず多い。そこで、その依頼者を尋ねると「法人です」と答えてくれるのだが、さらに突っ込んで「不動産業者ですか?」と尋ねると「ハイそうです」となる。
もはや、市場のプレイヤーは不動産業者が主体となり、所有中のインカムゲインと売却によるキャピタルゲインの二重の利益を享受している。以前のバブルとは違い、売れ残ってババをつかむというリスクは少ない。売れずとも持っている限り、支払より収入の方が多いので資金繰りに困ることはない。金利の上昇や家賃の下落等のリスクはあるが、ババをつかむという心配がないので、物件があれば積極的に購入する。
このような現象を見ていると、「今は売り時」と言える。買い手が少ない時に買い、買い手が多い時に売るというスタンスが原理原則である。確かに、品不足となりさらに物件価格が上がるという読みもあるが、それにも限界がある。
キャップレートの底値感が言われる中、レバレッジによる利回りの上乗せがされているしくみを考えれば、金融引き締めが起これば、ミニバブルが弾けることは明らかである。
自己資金をなるべく多くし、長期に所有しながら安定収入を得るということであれば全く問題はないが、そうでなければ今は誰もが結果オーライというわけではなくなっているのだ。

