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プロから学ぶ「不動産投資術」 49

 このコーナーも次回が最終回なので、今回は不動産投資のそもそもの目的について考えてみたい。
最近では大企業の再生が終了しつつあり、中小企業の再生がはじまっている。本業にかかわる資産は処分できないので、まずは本業以外のノンコア資産を売却する検討を行う。ところが、多くの場合、本業の儲けより賃貸収入の方が大きくてノンコア資産を売却するとなると赤字に陥ることにもなる。
 汗水たらして働いて得た利益は雀の涙で、下手をすれば赤字となるのに対し、ノンコア資産の収益不動産は安定した収益を生んでROA(総資産利益率)を高めている。
 コア資産は事業をするための事務所や工場などであるが、実は一ヶ月のうち実働は20日でしかない。また、夕方から朝までは使用していないので、実際に稼動しているのは年間の1/3で2/3は遊んでいることになる。ところが、ノンコアは朝昼晩、お盆や正月も含め家賃を稼ぎ続けている。社員の欠勤の心配もいらない。
 それだけではない。中小企業が副業で所有している場合は、最有効使用されていない場合が多い。不動産のプロから見ればリモデリングして他のテナントに入れ替えたほうが収益を上げられるのではと考えるのだが、副業で運営している場合は成り行き任せが多いので、そのような発想はない。
 社歴の長い会社の場合、時代の変化についていけなくなり、収益の確保が難しくなってくることが多いが、好調時に節税対策も含め取得した収益不動産が安定した収益を稼ぎ穴埋めしている構図となっている。
 若いときはがむしゃら働き、本業で利益を出し蓄財し、それを収益不動産に組み替え、いずれは賃貸収入だけでもやっていけるようにする。このことは、中小企業のオーナーだけではなく、個人のサラリーマンについても基本的に同じである。
 安定した賃貸収入というバッファーがあるだけで、生活や仕事に随分余裕が生まれてくる。人は余裕の中で、良い仕事や本当にやりたいことができるのだと思う。
 不動産投資によって収益を得ることを目的と考えがちであるが、本当はその得た収益をいかに有効に使えるかが重要である。つまり、不動産投資は人生設計のツールにすぎない。