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プロから学ぶ「不動産投資術」 46

 競売市場の激化もあり、収益物件を競売で取得することが困難といわれている。そこで競売となる前に任意売却で取得しようとする動きが活発になっている。
 今のところ任意売却は精通したプロ向けの仕事である。利害関係者の間で調整を行いながら、売買を成立させていく。利害関係者は売主、買主、債権者(複数あり)、賃借人、弁護士などの納得いく着地点を見つけ、分配金という形で決着をつける。
 任意売却は競売と比較して、売主から見れば世間に公表されることなく、再生が可能となり、買主からすると相対取引なので価格が高騰することがなく、債権者からすれば無税償却が可能となり、弁護士からすれば報酬が得られ、不動産業者からすれば仲介手数料が得られ、賃借人からすれば引継ぎがスムーズにいくなど、うまくまとまれば全員が得となる。
 この場合、損する人はこの中にはいない。たしかに銀行は貸し倒れとなり損が発生しているものの、公的資金が注入されその後銀行株も上昇しているので損はしていない。となると、公的資金は国民の税金なので、結局国民が損をしたことになる。
 売主は債務免除となるが、再生することにより利益を上げ、そして税金を支払うことによって国民に返すことができる。この「善の循環」が機能しつつあり、日本経済も上向きかげんとなっていると解釈するのはいささかうがった考えだろうか?
 任売は残債、税金の滞納、占有関係、他の資産など所有者の現状把握から始まる。同時に物件の調査と弁護士への依頼を行う。そのうえで債権者との交渉を行うのであるが、あらかじめ金融機関にあたりをつけておかなければ骨折れ損となる。最近では競売価格が高騰しているので、競売を検討する金融機関が多いうえ、そもそも金融機関の体力次第で任意売却が決まる。
 物件の価格は、コストをすべて包括して計算することがポイントだ。コストとしては、管理費滞納分、税金の滞納分、引越し代、弁護士費用、抹消費用、解体費、測量費、リフォーム費用などである。市場価格からこれらのコストを差し引き、債権者の抵当権抹消費用を確定させ債権者の了解を得て取引が成立する。