プロから学ぶ「不動産投資術」 43
私が以前勤務していた会社の事業所は約500名の社員がいた。社内旅行は海外が多く、人数的にはジャンボジェット一機で足りるが、あえて2便に分けて乗ることが慣例となっていた。最悪の場合に社員全員が死亡したとなると、顧客や取引先への対応が不可能となるからである。
確率は極めて低いが、万が一のときにリカバリーできないようなリスクは避けなければならない
不動産投資においてリスクとは不確定要素のことを指すが、その不確定要素が実際に起きてしまった場合の、影響度を重視する必要がある。
例えば、空室率が多少増えたとか、家賃が下がるとか、修繕費がかかるということは想定されたリスクで、事業計画に最初から組み込んでおくことができる。しかし、例えば接道がない物件で転売ができないといったケースだけは避けなくてはならない。
社員旅行で飛行機を2便に分けるがごとく、2億円の物件を購入するのであれば、1億円の物件を2つ購入するほうがよい。さらに、1つは都心の資産価値重視の物件を、も1つは地方や郊外の高利回り物件を購入しておけば安心である。
テナントについても、大手が一括で賃借している物件よりも、複数のテナントに分散しているほうがよいことは言うまでもない。
一階が店舗で、二階以上が賃貸住宅の場合は、店舗が解除となった場合は大きく収入がダウンするので、気をつけなくてはならない。この場合、店舗との賃貸借契約書を良く見ておく必要がある。例えば、契約期間が10年の定期借家契約なら安心である。敷金が10ヶ月以上ある場合なら、賃料の不払いに対する解除の場合も、敷金から相殺することができる。その間に優良テナントを見つければ良い。敷金の償却などがあれば、その分収益が増えることにもなる。
そういう意味では、一階店舗のみの購入も面白い。競争相手が少なく、かつ高利回りで購入できるチャンスがあるからだ。店舗の場合、立地次第なので立地の目利きができるのであれば、お勧めしたい。
リスクの影響度が大きい物件は、利回りが極めて高いのが特徴である。プロとはそのような物件を見極め、投資する人のことである。

