プロから学ぶ「不動産投資術」 42
投下した資本が何年で回収できるかを着目してほしい。この回収年数はネット利回りと連動する。例えば、年間のネット収入が5,000万円のビルを10億円で購入したとすると、回収年数は
10億円÷0.5億円で20年となる。ネット利回りが0.5億円÷10億円=5%だ。
逆にネット利回りが5%の場合100%÷5%=20年の回収年数ということになる。
売却を前提に考えることがなければ、回収が終わって初めてその後に利益が出るのである。自用地に賃貸住宅やビルを建築する場合に、特に馴染む見方である。
さて、この回収年数は短ければ良いのだろうか。先日、借地上に立つ中古のアパートの購入相談を受けた。融資が全額付いたのでうまく決済できたが、表面利回りで25%,ネット利回りで20%だった。回収年数は100%÷20%=5年である。金利分を除き、6年目からの収入が丸々利益となってくる。
この物件の場合、借地であること・中古の老朽木造アパートであることから、一般的にはリスクが高いと思われるので、高い利回りと短い回収年数が実現される。確かに、借地は権利関係で紛争が起きることが多くリスクがあるし、中古の木造老朽アパートは修繕費や入居率や家賃の下落などのリスクが高い。しかし、5年間経営がうまくいけば、後はどのように転んでも構わないと考えれば、時間的・環境変化のリスクが少ないと考えることもできる。
逆に都心で、新築の一棟売りビルやマンションの場合、ネット利回りは5%前後であるので、回収年数が20年かかる。都心の長期的需要の強さ、新築かつ堅固な建物であるのでリスクが少ないと言える。しかしながら投下資本の回収に20年かかるということは、それ自体がリスクと考えることもできる。途中、売却してまとめて投下資本を回収できるのであれば問題はないのだが、長期に保有するとなると20年の間の市場の環境変化は誠に大きいリスクであろう。
これから先、長期的に値上がりが続くと思えば長期安定経営ができる物件を、今後の市場動向が読めない場合は短期回収できる物件を選ぼう。

