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プロから学ぶ「不動産投資術」 37

 不動産投資のスタンスとして、短期運用が良いのか、長期運用が良いのかを質問されることが多い。従来、不動産の運用となると長期運用が前提とされ、それに連動するように金融機関も長期の融資を行っている。
 長期運用の場合、極端に言えば売却益はほとんど無視し、単年の利益とその利益の継続性に着目する。一方、短期運用の場合、極端に言えば単年の利益はほとんど無視し、売却益に着目する。
 一般的に前者を意識する者は「利回り」と呼び、後者を意識する者は「投資利回り」と言う傾向がある。ここで言う「利回り」とは物件購入費用に対する年間の収益率を指し、「投資利回り」とは投資するときの自己資金が、売却後に手元にどれだけ増えたかを年間換算で算出するものとする。 どちらも、単年の利益と売却益を期待することに違いはないが、その期待の度合いが違うということである。
 もっと端的に言えば、出口を睨んで購入するのが短期運用であり「投資利回り」が最終指標となり、出口を考えず持ち続けることが長期運用であるために「利回り」を指標とするのである。
 例えて言えば、サラリーマンが年金対策で区分所有マンションを求める行為が長期運用であり投資家が持っているお金をできるだけ短期で増やすことを目的に、オフィスビルの転売などに投資することが短期運用ということである。
 どちらが得かと言われれば答えに困るが、短期運用の場合、物件が動くたびに必要な諸費用が重荷になるし、長期運用の場合、金利などの変動や減価償却の影響を受けるリスクが高くなる
 ある不動産業者は長期目的で不動産を取得しているものの、時々、物件を入れ替え所有している不動産をブラシュアップしている。決算対策で利益の調整を物件の出し入れを行うことで可能とし、かつ、損益通算を行うことで節税対策とすることもできる。
 このように、はじめから運用期間を決めていても、実際には諸事情によって運用期間は変わるものである。大切なことは、流動性が高い投資物件を所有していくことである。