プロから学ぶ「不動産投資術」 36
金融ビッグバーンの波を被り、不動産の業界にも連鎖して不動産ビッグバーンが進行している。金融ビッグバーンが話題になり始めたのは10年以上も前の話だが、その意味は「フリー、フェアー、グローバル」だと聞かされた。日本語に翻訳すると「自由化、透明性、世界標準の」とでも言うのだろう。
自由化というのは規制を撤廃して原則自由ということだが、不動産の場合は宅建業法の縛りや行政の指導要綱などにより自由化とは程遠い状況である。しかしながら、定期借地権や定期借家権の法制化のように原則自由な賃貸借契約ができるようになってきた。また、宅地開発の指導要綱についても、建物の容積率や道路斜線の緩和なども実現し、建築の自由度も高まっている
透明性については、競売を中心に取引の過程がオープンになってきている。レインズなど流通機構などによる取引価格の履歴も豊富になってきた。価格の決定要因にも、収益還元的な発想が取り入れられ、ロジカルな価格査定が可能となってきた。
また、時価会計制度についても2006年3月期より固定資産の減損会計の強制導入がなされ、資産価値の透明性が高まる。上場REITの登場により、金融並みの透明性を不動産にも求められるようになった。そのため土壌汚染や建築基準法の順守についても厳しく問われるようになってきた。
世界標準という点では、定期借家権の施行により収益の確定がしやすくなった。ノンリコースローンレンダーの登場により、担保力偏重主義から収益力を中心とした融資姿勢が顕著だ。不動産と金融が融合して、不動産金融ビジネスが隆盛となると投資家に対する情報のオープンやリスクの回避策を講じるようにしなければならなくなった。
このような金融と不動産のビッグバーンが今の不動産投資市場を盛り上げる環境を創った。公示地価が一部上昇を見せ、ミニバブルと言われているが、これら不動産ビッグバーンの成果が表れて来たのであって、決してファンドバブルというものではない。これから本格的な不動産ビッグバーンが始まる。

