プロから学ぶ「不動産投資術」 33
住宅新報の3月1日号の一面で、「新・定期借地権、活用期待高まる」と報道された。新しくなった点は、地主は一時金を前払い賃料として受け取れ、かつ収益計上は期間に応じて分散してできるようになったこと、および、借地人は前払い賃料が期間に応じて分散して費用として計上できるようになったことだ。
土地を取得した場合との比較をすればその利点はあきらかである。土地の取得に対しては取得費も取得のために借りたローンの金利も費用とならない。一方、土地の借地権を取得するための一時金が前払い賃料の場合、借地人は建物の原価償却費、毎月の賃料、前払い賃料のすべてが費用となるので、キャッシュフローが格段に良くなる。
地主が全額ローンで賃貸マンションを建築しようと考えていたケースでは新・定期借地権に切り替えられるであろう。
と言うのは、何億のローンを組むのはリスクを感じるが、新・定期借地権として土地をディベ等に貸し、前払い賃料を受け取り、その前払い賃料で建物の一部を買い戻し、自己借地権を設定すれば無借金で賃貸経営ができる。
現在進行中のプロジェクトでシミュレーションした結果によると、全額ローンの賃貸経営の手取り金額と新・定期借地権の賃料および前払い賃料で買い戻した建物の賃料収入による手取り金額はほぼ同等の金額となった。前者は借入が8億円で後者は借入が0なので、その精神的負担の違いは相当のものである。もちろん、負担感のない範囲でローンを借り、買い戻す建物を増やしても良い。
地主は等価交換のように、土地の権利が共有となることもなく、あくまでも地主の単独名義であるうえ、期間満了時には建物を減価償却残程度の小額の金額で買い取ることもできる。このように考えると、地主はローンを借りての建築や、等価交換と比較しても納得できる計画となるだろう。ひょっとすると、等価交換で計画していたプランがすべて新・定期借地権に取って代わることもある。
応用編として中古の収益不動産の売買では、土地の名義は残したまま、建物だけを売却すると伴に、土地分については前払い賃料を得るという手も出てくる。

