プロから学ぶ「不動産投資術」 32
不動産コンサルタントなどの専門家はともすると、収益還元価格にこだわりすぎる傾向がある。確かに不動産の価値を収益力で評価する流れは強まっている。とはいうものの、実際の取引の現場では、土地そのものの価値を判断して購入する人々が多く、収益還元価格一本で値付けをすると大きな間違いを起こす。
実際、不動産業者によって値付けされた物件は、あいかわらず土地価格に建物価格を加え算出している。建物については、築15年程度経っていると評価をゼロにし「本来なら解体費を差し引かなければならないけど、その分はサービスして土地代だけで査定したよ」などと売主に説明する始末である。
このような説明のほうが、売主に対して説得力を持っているのも事実かも知れない。売主自体が、投資家の発想ではなく、地主や大家の発想である場合にはやむを得ない。
もう一つ重要な点は金融との兼ね合いである。
レバレッジを最大限に利かせたい投資家が多いので、金融機関の物件に対する融資姿勢で物件の価格が制限を受ける。いくら収益力があっても、担保価値がなければレバレッジを有効に使うことができなくなるので、物件の価値が下がってしまう。だから、今の金融の姿勢からすると土地の評価が高い物件が人気となっている。
単純に収益還元法だけで価格を決めると、実際の市場の取引の中で生きている土地の資産価値を無視してしまうので、現実にそぐわなくなる。物件によって異なるもの、収益還元価格で求めた価格と土地・建物の評価から求めた価格を50%づつ取り入れて物件価格を査定すると良い。物件によってその比率を変え6対4などとするなど応用を利かせれば良い。
価格の透明性を問うのであれば、オークション市場で取引をする方法がある。オークションといえば、不良債権の競売物件が一般的であるが、民間でのオークション市場も育ってきている。株式会社アイディーユーのオークションでは主に投資家やディベを対象としたオークションの場を持っているので、これらのオークションを利用すれば査定は不要となる。

