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プロから学ぶ「不動産投資術」 29

 今年の税制改正は小粒で、住宅・不動産業界にはインパクトが小さいものであった。しかしながら、その背後に定期借地権の税制改革ともいえる大きな改革が隠れていた。
 国土交通省の照会文書「定期借地権の賃料の一部または全部を前払いとして一括して授受した場合における税務上の取り扱いについて」に対して、国税庁は平成17年1月7日付の回答書で定期借地権の一時金の取り扱いを明確にした。
定期借地権の一時金が、賃料の前払いであることを契約書にうたうことによって、借地人は期間に応じ費用化でき、地主は期間に応じ収益計上できることになった。
従来、定期借地権といえば、戸建住宅や分譲マンション・ロードサイド店舗に利用されていた。
ところが、新・定期借地権の登場により、不動産投資に利用されることが想定される。
 というのは、借地人が期間に応じて前払い賃料を費用化できるとなれば、税効果が働き税引後のキャッシュフローが格段に向上するからである。土地が所有権の場合、土地そのものは費用化できない、土地を取得するための借入の金利も費用にならない。資金が寝てしまうのである。
 ところが、定期借地権の賃料前払い方式となると、期間に応じ一時金が毎年費用化できるうえ、毎年支払う賃料も費用化できる。建物が減価償却されるがこどく、あたかも土地も減価償却できることとなる。
 新・定期借地権の場合、建物代金+前払い賃料を初期投資だと考えると、従来の収益物件の利回りが8%だった場合、新・定期借地権であれば12%の利回りにもなる。土地の含みがなく売却益は期待できないが、毎年のキャッシュフローが高まる。土地のリスク(資金が寝る、下がるかも知れない)から解放されるすばらしい手法である。
 一方、地主側も嬉しい。何と言っても、将来の保証金返還債務がなくなるからである。これで、子や孫に負債を残さなくて済む。
 また、権利金のように不動産所得として見なされ、初年度にまとめて所得計上しなくても済むので、累進課税による最高税率の所得税を免れることができる。双方にとって好都合なので、大化けするだろう。