プロから学ぶ「不動産投資術」 28
「選択と集中」という言葉は、事業戦略論でよく登場する。不動産投資の物件選びについてもその考え方はまったく同じである。不動産投資が資産運用に有効だと理解し、家族や相続人もしくは税理士などの同意を得、具体的な物件を選ぶ段階に進む。
優良物件との出会いは、たしかに「縁」みたいなものもあるが、ここでは物件選びの手法的なものを紹介する。
まず不動産投資の目的を決め、どの程度の規模の投資をするか判断する。生活費を得る手段とすれば、税引後の手取りでいくらぐらい必要か決め、逆算し投資額を決める。相続税の節税を目的とするのならば、どのくらいの節税を期待するのか、そのためにはどのくらいの投資をすれば良いのかおおよそ掴む。
投資額がおおよそ決まったならば、リスクに対し果敢に挑戦しハイリターンを狙うのか、リターンは少なくともあくまでもリスクを避けたいのかを選択する。ハイリスクハイリターン狙いであれば、利回り優先で地域や建物の築年数は妥協する。ローリスクローリターンであれば、家賃が下がりにくそうな、一般的に人気のあるエリアを選択し、利回りは低くとも我慢する。
投資額とリスク&リターンの目安ができたら、物件が目の届く場所にほしいのか、管理会社に管理を任せるのでどこでも良いかを決める。
その他の条件として、投資家の好みを入れればよい。例えば、住居系が良いだとか、新しいものが好きだとか、ブランドのあるエリアでほしいだとか様々である。あくまでも、その他の条件であることを忘れてはならない。その他条件を優先することで、その投資の目的・目標の達成から遠ざかるからだ。業者は素人の投資家の根拠のない要望を聞き、失敗する。さんざん振り回されて徒労に終わることも多いだろう。
最後に、物件購入の条件を絞り込む、例えば「駅から5分以内、ワンルームマンション、平成元年以降に建てられたもの、実質利回りが8%以上であるもの、都心から20キロ圏」などである。
これらの、条件が満たされなければ見向きもしない決意で購入に当たる。とりわけ実質利回りだけは、何が何でも妥協してはならない。

