プロから学ぶ「不動産投資術」 24
例えば、資産5億円の資産家が相続対策を兼ねて2億円の不動産投資をしたとする。年収1,600万円、利回りは8%である。ところが、節税効果が6,000万円あったとしよう、そうすると2億円で購入したのだが、節税効果6,000万円を含めて考えると実質1.4億円で取得したことになる。年収1,600万円は変わらないので、利回りは11.4%ということになる。このことを私は税効果利回りと呼んでいる。あくまでも税効果利回りは計算上の話しなので、相続対策だからといって利回りの低い物件を取得しても良いと言っているのではない。
それでは、このメカニズムを説明しよう。資産5億円、配偶者なし、子供1人の場合の相続税は1億7,300万円である。ここで都心の一棟売り中古マンションを2億円全額ローンで購入したとする。土地の評価は貸家建付け地として21%落ち、さらに事業用地として50%の評価減がされる。併せると土地の評価は約60%落ちることになる。建物については固定資産税評価として課税されるのでおおよそ時価の60%で評価され、さらに借家権によって30%落ちる。併せると建物の評価も約60%落ちることになる。
ここでは土地も建物も約60%の評価が下がるので、土地と建物の比率は考えなくても良い。2億円の不動産投資物件を購入することにより1.2億円の評価を下げることになる(2億円×△60%)。したがって、資産は0.8億円に圧縮される。資産3億円の場合同条件で相続税を計算すると、1億1,300万円となる。何もしない場合1億7,300万円だったので、6,000万円の節税効果となる。2億円の投資が実質1.4億円の投資となるのである。仮に資産2億円の人の場合は同条件で、3,900万円の相続税が250万円となり、納税の心配から開放される。資産2億円の人が資産2億円増やし、年間1,600万円の収益力を付けたにもかかわらず相続税が大幅に減るのは不思議なことである。あきらかに、相続税評価の考え方の前提がおかしい。
借地や借家となれば、収益を生み収益還元法によると評価が上がるのに、日本の税法では借地や借家のマイナス面しか見ていないので評価を下げてくれる。

