プロから学ぶ不動産活用

第23回 リスクとリターンの関係 ~投資目的で変わる利回り~

ある地主さんから、アパートはハイリスク・ハイリターンなのか、それともローリスク・ローリターンなのかと尋ねられた。一瞬答えに詰まったが、次のように答えた。
 「投資の世界では一般的にはリスクが高いほどリターンが大きく、リスクが小さいほどリターンが小さいとされていますが、こと賃貸住宅経営について言えばハイリスク・ローリターンかもしくはローリスク・ハイリターンの関係となっています。」
 「郊外のバス便エリアであれば、入居は厳しく空室のリスクが高い上、賃料も低いのでリターンも少なくなります。逆に都心であれば入居は多くリスクは低い上、賃料も高いのでリターンも多くなります。」「したがって立地がリスクとリターンの関係を支配していることになるのではないでしょうか。」
 この地主さんには以外な答えだったので、面白いことを言う男だなあとその後も付き合っていただけた。
 次に「では、この立地ならどうなりますか?」と待ちに待った質問がきた。
「早速、調べてみましょう、敷地条件と市場ニーズにあったプランを想定して、賃料を査定します。」
 「あ、それから短期的な毎年の収入を重視するのでしょうか、それともお孫の代まで考え長期的なトータルな収入を重視するのでしょうか?」
 「なぜ、そんなこと聞くの」
 「ハイ、もし短期収入を重視されるのであれば、コスト優先のプランで考えます。この場合10年先、20年先の競争力についてはその時に考えるものとして、それまでに稼いで短期回収を狙います。逆に長期収入を重視されるのであれば、コストより今後も激化が続く近隣物件との差別化を優先してプランを考えるからです」
 「そこまで考えていなかったなあ。どちらかと言うと長期安定かなあ」
 「わかりました、将来の競争相手にも負けないプランをお持ちしますよ」というようなやり取りとなっていく。実は立地の他に商品企画が重要な要素なのである。