プロから学ぶ不動産活用

第22回 定期借地権の収益性 ~地価水準低いエリアで効果~

定期借地権はバス便や不便な立地でも事業が可能であると言われる。しかし、どの程度の立地ならば定期借地権が良いのだろうか。
 一言で言えばアパート経営が厳しいエリアである。厳しいエリアというのは表面利回り10%以下のエリアである。経費2%、減価償却4%、金利4%とすれば手取りがゼロになるからだ。では10%以下とは、建築費が坪(3.3平方メートル)60万円の都心では坪当り賃料5,000円以下、56平方メートル(17坪)のファミリータイプなら家賃85,000円以下のエリアである。建築費が坪50万円の郊外では坪当り賃料4,166円以下、同じく家賃70,822円以下のエリアである。建築費が坪40万円の地方では坪当たり賃料3,333円以下、同じく家賃56,666円以下のエリアである。このエリアで現金によるアパート経営ならいざ知らす、借入によるアパート経営となると将来に渡り、空室の不安・家賃下落の不安・金利上昇の不安・老朽化の不安が付きまとう。
 定期借地権であれば上記の一切の不安がなく、確実な収益が得られる。定期借地権の収益は年間に土地価格の2%弱確実に得られる。その上、年間1.7%の固定資産税と都市計画税が合算でおおよそ5分の1になる。ちなみに1.7%の保有コストとは59年で資産がゼロになる程重い。建築費の差は全国さほど開きがない、家賃の差も2倍程度の差でしかないのに地価の差は10倍以上開く。
 定期借地権は土地価格から収益が決まるので、地価が高い方が有利ではあるが、地価が高い地区ほどアパートの利回りもよくなるので一概には判定できない、したがって実際に両者の収支計画表を比較検討する必要がある。逆にいえば地価が安く、アパートの収益が見込めないエリアであれば、確実に定期借地権の収益力の方が高いことになる。
 地方で定期借地権が伸びているのは他の事業との比較において相対的に実質収益が高いからであり、地主さんは決して低リスク・安定性・節税効果だけで選んではいない。