プロから学ぶ不動産活用
第21回 相続税という借金 ~先行売却で建築資金に充当~
大雑把な試算になるが、話しをわかり易くするためにお許しいただきたい。資産は土地10億円のみ、その他の資産はないものとすると、相続税は4億かかってくる。現金がないので、4億銀行から借りて支払うことになる。もしくは国から借り入れるという方法、つまり延納という20年間の利息付分割払いとしなければならない。
4億円を20年で支払うとしても、元金だけで年間2,000万円、利息を仮に4%としても1,600万円合わせて年間3,600万円の支払いとなる。
到底手取りの中から支払うことはできないため、土地を売却する必要がでてくる。譲渡税を無視したとしても、4億分の土地が無くなるわけで、土地が10分の6になる。わかり易く言えば10億円の土地資産を持っているというだけで、4億の借金をしていることと同じか、もしくは名目10億の資産ではあるが実質6億の資産ということである。
何とか、この相続税を半分の2億にしようとするわけだが、そのために4億の借金をしたとしよう。相続税という借金2億と借金4億の合計6億の借金になってしまう。何もしなければ4億で済んだのに、相続対策だと言ってなまじっか借金をして賃貸住宅を建てたために、実質借入が2億増えてしまう。
私が思うに、土地資産が10億の地主さんは相続税と借入を併せて、半分の5億以内の借入に収まるようにしたい。節税効果を最大限に引き出すために、さらなる投資が必要であったとしても、借入を増やすのではなく自己資金で対応してもらいたい。もちろん自己資金は無いので、一部土地を売って捻出することになる。どちらにせよ相続時に土地を売る必要があるのだから、先行売却してその資金を節税対策のための建築に回した方が利口である。
相続後最終的に残る土地のボリュームは、土地を先行売却しておく方が大きくなる。地価が下がる傾向があるなら、なおさらのことである。相続税という借金を先に返してしまおうという発想でもある。