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プロから学ぶ「不動産投資術」②

第2回 収益物還元的思考の勧め
~投下資本と実収入で~


東京・葛飾区で500㎡の土地の有効活用の相談があった。A社は利回りが高いので倉庫はどうかとの提案であった。B社は安定性を考え、3階建てのファミリーマンションの提案であった。A社の提案だと5,000万円の投資で、年間800万円の売り上げで表面利回りは16%である。一方B社の提案は投資額9,000万円、年間1,170万円の売り上げで表面利回りは13%である。表面利回りで見れば、倉庫に軍配があがり、売り上げで見ればファミリーマンションに軍配があがる。もっと突っ込んでみよう。固定資産税や管理費などを差し引いた、手残りで比較するとA社案は年間650万円の収支、B社案は950万円の収支である。手残りで見れば、利回りの低いファミリーマンションの方が高くなっている。これでも分析は不十分だ。土地を資産として組み入れていないからである。路線価が20万円/㎡の土地なので、土地部分の投下資本は1億円となる。A社案は土地1億円、建物5,000万円合計で投資金額が1億5,000万円、実収入が650万円なので、実質利回りは4.3%になる。B社案は、投資金額1億9,000万円、実収入950万円なので、実質利回りは5.0%となる。投下資本に対する実収入の割合で判断するのが正解であり、B社の提案が正しいということになる。更に数値だけを追うならば実質利回りが4~5%ならばこの土地を処分して、実質利回り8%以上の投資物件を購入するほうが、税金や諸費用のロスを考えても得だろう。投資家的発想とするならば、5年後に売却した場合のキャピタルロスと5年間の実質収入の合計が投下資金に対して何%になるかを問いただす。ただし、この考えはあくまでも投資という観点であるため、土地を守るという発想とは相反する。収益還元法とは読んで字のごとく逆算方式である。「とにかく安く買う」という単発的発想や、表面の利回りに惑わされることもなく、あくまでも、投下資本に対する実収入の割合を基準に判断する思考回路が必要だ。