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プロから学ぶ不動産活用1

「相続対策のために建てたんだよ」とやや照れくさそうに地主さんは答えた。よく聞いてみると相続税の試算やシミュレーションを行っていない。実際試算すると、もともと相続税など心配のない地主さんであった。
 汗をかかずして得られる金もうけに対して罪悪感を感じ、大義名分としてこのように答えたのだろうか。それとも持たざる一般人に対し、嫉妬をいだかれないようにするためなのか。
 ある銀行員は「相続対策のために借金を」とさかんに勧める。ハウスメーカーの担当者も建設費の捻出のため「相続対策のために借金を」と同調する。しかし資産税に詳しい税理士さんは「現金で建てようが、借金して建てようが節税効果は同じ」と断言する。確かに相続税の評価方法と計算方法を少し勉強すれば借金そのものには何の節税効果がない。銀行員やハウスメーカーの「相続対策」はセールストークだったのだろうか?
 また、ある不動産コンサルタントは「相続対策」とは分割対策と納税対策と節税対策の三つがあのは分割対策と納税対策だと力説する。確かに揉めたり、納税できなければ元も子もない。しかし専門家には節税のアドバイスを期待したいのが人情だ。地主さんの希望をかなえる「相続対策」とは相続税を下げることだ。
 一言で「相続対策」と言うが資産規模により「相続対策」の効果は天と地ほどの差がある。たとえば、配偶者なし子供二人の場合、資産10億円の地主さんであれば実行税率40%、約4億円の相続税額となるが、資産1億円の地主さんであれば実行税率4%、4百万足円らずである。実行税率が40%であれば、「相続対策」による評価減の約40%の相続税額を下げることができるが、実行税率が4%であれば、評価減の約4%の相続税額を下げるだけである。
 このように同じ「相続対策」と言っても重みが全く違うのである。