プロから学ぶ不動産活用14
私はまず地主さんに、8つの土地活用について説明する。8つとはアパート、賃貸マンション、定期借地権、駐車場、等価交換、共同分譲、土地売却、そして何もしないである。相続前なのか後なのか、立地はどうなのか、市場性はどうか、相続人の利害関係はどうなっているのかなど多面的に検討したうえで、土地活用を進めてくださいとお話しする。そのためには、地主さんにおいても実務知識はなくとも、ある程度の資産活用の知識と経営感覚が要求される。
土地活用なのに何故土地売却が含まれているのか不思議に思う地主さんが多い。例えば表面利回り8%を下回るような立地ではアパート経営は向かない。この場合でも、分譲であればニーズがあるのでその土地を売却して、入居者が確保できる中心部や都心の土地を購入し建築するか、中古の収益物件を購入してもらう。
私はこのような提案をお薦めするのだが、様々なしがらみがあってそこまで大胆な行動には移してくれない。そのかわり、一部の土地を売っていただき、敷地内に賃貸住宅を無借金で建てていただく。無借金であれば、賃料が下げられ、物件のグレードを上げられるので競争力がある。 経費も少ないため実質利回りは確保できる。相続が発生すれば、土地を売らざるを得ないし、それまでの固定資産税の負担や建物の収益、そして土地の値下がり損を考えれば、相続対策上も土地を先行して売却する方が有利になることは試算すればすぐわかる。どうせ国に取られる土地であれば、先行納税と考え土地を先行売却した方がましなのだ。
「土地を守りたい」「土地を売れば親戚や近所から何を言われるかわからない」「土地はやっぱり一番有利な資産である」などと考えるのは男性の高齢者が圧倒的に多い。若い地主さん特に女性は責任ある重たい資産に縛られるより、収益の上がる資産に組替えることを好む場合が多い。彼女らはそこから上がる収入を元手に、関係者全員が楽しく健康的で豊かな人生を送りながら資産が守れることを本能的に理解している。

