プロから学ぶ不動産活用13
資産の組替えを実行する場合、よく利用される税制上の特例が「事業用資産の買い換え特例」である。中でも二一号特例は、譲渡資産・買い換え資産供制限が少なく、全国どこでも利用できる。農家の地主さんを例に取れば、農業用地や駐車場用地を売却して、その資金で賃貸住宅を建てた場合、土地の譲渡税の課税が八十%繰り延べられる。わかりやすく言えば二六%の譲渡税が五分の一になるわけだから、税率が約五%になると考えれば良い。
実務上よく起きるミスとして、対象地の農業収入や駐車場収入が申告されていないために、事業用と見なされないことがある。そのときは遡って修正申告すれば良い。中には後付けで特例を受けるために、敷地に車をならべ写真まで取ってアリバイ工作を行うツワモノまでいると聞くがなんとも愚かな話である。航空写真でばれることもあるし、そもそも買い換え特例は後に述べるようにそれ自体節税のメリットは少ない。買い換え特例が充当された建築費の部分には、減価償却が適用されないからだ。そのため必要経費が減額となり、不動産所得が増加し、毎年の所得税・住民税・事業税が増税になってしまう。その他に譲渡税が減った分相続財産が増加するため、その分の相続税も増える。有利、不利の試算を行うと多くの場合、譲渡税の減額よりも、所得税・住民税・事業税・相続税の増額分が上回る。簡便な目安としては、譲渡税が二六%なので、先の税金の実行税率が二六%を超えれば不利になると考えれば良い。そうは言うものの、私は買い換え特例をお薦めしている。
なぜかと言えば、資金繰り上楽になるからである。賃貸住宅建築の際には、グレードアップの費用や近隣対策費などの諸費用が追加で発生することが多い。ローンの申し込みも終了し、増額も難しいときには、譲渡税の減額による余剰資金が生きてくる。有利不利を論ずる前に、確定申告の際に税金が減り余剰資金が生まれることは誰もが嬉しいことだと思う。
