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プロから学ぶ不動産活用11

今回は私自身の投資の失敗談である。
 地方都市で中古のマンションを投資用で購入した。新幹線の駅に隣接した3LDKのマンションで価格は千百万円、家賃が八万円なので利回りは九%弱であった。全額ローンでも毎月の手出しがない程度であったため当時二十八歳のサラリーマンの私でもキャッシュフローはなんとかなった。
 新幹線代や修繕費など細かく経費を申告し、減価償却については定率法を選択し償却を早めるなどして、不動産所得を赤字にすることができた。給与所得と合算して所得税の還付と次年度の住民税の減税を享受した。長期譲渡となる5年経過後に売却を試みた。幸い千三百万円で買い手が現れた。単純に考えれば二百万円が値上がり益で、取得時の諸費用が五十万円、売却時の諸費用が五十万円なので実質百万円の利益である。長期譲渡の特別控除が百万円だから税金はゼロだと喜んでいた。
 確定申告のシーズンが到来。譲渡所得用の確定申告書を記入していくうちに、取得費が千百万円ではなく減価償却分を差し引くと七百五十万円ということになってしまい、譲渡益が五百万円に跳ね上がった。当時の譲渡税三九%で計算すると百五十万円程の課税となってしまった。ローンの元金はほとんど減っていなかったため、トータル百万円程の手出しとなってしまった。
 減価償却費は最終年の確定申告書に記載された年末の償却残高の数値から計算されるため、定率法により償却が膨らんでいたのだ。また、土地と建物の比率では建物の比率が高くなるようにし、建物については、建物割合を七十%、設備割合を三十%にするなどして、設備の割合を高め償却額が膨らむようにしていた。確かに所得税、住民税は五年間節税できた。しかし貧乏サラリーマンの実行税率は二十%程度で、譲渡税の三九%と比較すると2倍の重みの差があったわけだ。譲渡のことを考えれば、定額法にするなどすべて逆をやっていればよかったのだ。